外壁塗装費用の相場や施工の期間・失敗しないためのコツなどを解説！

公開日:2024/06/05
最終更新日:2024/10/22

皆さんは、長年住んでいるご自宅の外観が気になったことはありませんか？外壁の色褪せや汚れを見て、塗装工事を検討されている方もいらっしゃると思います。しかし、塗装工事は家を建ててから何度も行うことではなく経験していない方が大半。費用がどれだけかかるのかわからないですよね。

塗り替え時期の目安を知りたい
依頼する会社選びを失敗したくない
塗り替えをしないとどうなるの？

このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか？実は、外壁塗装はは見た目だけでなく、ご自宅の寿命を伸ばすことにも繋がります。そこで、この記事では外壁塗装工事の費用や相場、時期などについて解説していきます。ぜひ参考にしてください！

1 外壁の塗り替えにかかる費用の相場
2 外壁の塗り替え時期は約10年前後
3 外壁の塗り替えにかかる期間は約2週間
4 外壁塗装が劣化する原因
5 外壁の主な劣化症状
6 外壁の塗り替えをしないと劣化が早く進む
7 外壁の塗り替えで失敗しないためのコツ
8 外壁の塗り替えで使われる塗料の種類と選び方
9 施工事例
10 まとめ

外壁の塗り替えにかかる費用の相場

塗装工事は、建物が大きくなればなるほど塗装面積が増え費用も高額になっていきます。外壁の面積だけでなく付帯部の面積も増え、足場面積も大きくなるためです。坪数ごとの費用相場は以下のようになっています。

20坪：約50～90万円
30坪：約60～100万円
40坪：約80～130万円
50坪：約100～160万円
60坪：約120～200万円

一般的な住宅の平均坪数は、住宅ローン「フラット35」の2022年度利用者調査によると101.8㎡〜122.8㎡（約33.8〜37.2坪）と言われています。そのため、多くの方は60〜100万円ほどの費用が予想されます。

【参考】住宅金融支援機構：2022年度フラット35利用者調査

外壁の塗り替え時期は約10年前後

外壁塗装のサイクルは、おおよそ10年前後と言われています。現在の住宅でもっとも多く採用されているサイディングボードが新築から１０年程度で初めての塗装時期になるといわれ、これまで広く使用されてきたシリコン塗料の耐久年数が10年程度であるためです。塗料の耐久年数は現在は高耐久のものも増え20年以上のものもあります。

外壁の塗り替えにかかる期間は約2週間

外壁塗装は一般的に7日〜14日前後と言われています。塗装工事は、ただ単に塗る作業だけではないんですよ。塗装作業以外にも、近隣様へのご挨拶や足場の組み立て、塗装しない窓やドアなどの養生作業、高圧洗浄や下地処理など多くの工程があるため、順調に進んでも2週間程度はかかってしまいます。

また、雨の日や雪によって極端に気温が下がってしまう日は作業を行いません。なぜなら、塗料メーカーが定める塗装基準があるからです。濡れた状態やマイナス気温で塗装を行うと施工不良に繋がる恐れがあるためです。梅雨時期や真冬などでは予備日を多めに設けて工事の日程を組ませていただきます。

外壁塗装が劣化する原因

外壁の塗膜が劣化する原因は様々ですが、主に以下の2つが劣化の原因になると考えられます。

太陽光や雨風
経年劣化

太陽光・雨風

外壁は太陽光や雨風の影響を直接受けてしまうため、ダメージが蓄積されやすく劣化が進みやすい箇所になります。特に、太陽光の紫外線が劣化の原因になることが多いとのこと。

住宅の南側は日差しが強くなりやすく、日当たりが良いと劣化が早く進んでしまうことも考えられます。また、劣化が進むと塗装による防水機能が保てなくなり、雨水が住宅内部へ浸入してしまうこともあります。雨水は柱などの腐食に繋がるため、塗り替えだけでなく大規模な修繕が必要になります。

経年劣化

塗料はそれぞれメーカーによって耐用年数が設けられています。一般的なシリコン塗料の耐用年数は10年ほど、これは塗装から劣化が少しずつ進み10年で次の塗装時期を迎えるということです。また、塗装工事は外観を綺麗するだけでなく外壁材をコーティングする役割もあります。塗膜が劣化することによって保護機能が低下し外壁を守ることができず、ひび割れや塗膜の剥がれなどにも繋がります。劣化症状を放置して症状が進むと建物内部に雨水の浸入を許してしまいます。

外壁の主な劣化症状

劣化症状にいち早く気づくことで、外壁への被害を最小限に抑えることができます。外壁の劣化症状は、主に以下の5つがあります。

外壁の色あせ
外壁のコケやカビの繁殖
チョーキング現象
ヘアークラック（0.3㎜以下のひび割れ）
塗膜の剥がれ

外壁の色あせ

色あせをわかりやすく言うと、新築の時に比べて外壁の色が薄くなった状態のことです。外壁は常に太陽や雨・風にさらされているため、劣化が進行するのは避けられません。そのため、外壁の色あせを完全に防ぐことは難しいと考えられます。紫外線によって色褪せが起こることで、外観が古く見えるだけでなく、塗装による防水機能の低下にも繋がります。

外壁のコケやカビ

外壁に発生するコケやカビは、日当たりが悪く湿気がたまりやすい場所に発生します。日当たりの悪い箇所は雨などの湿度が乾きにくく、コケやカビの繁殖が進んでしまいやすいと言えます。また、風通しがよくない場所は湿気がたまりやすいだけでなく外壁に付着した汚れが溜まりやすいためコケなどの繁殖を促してしまいます。他にも、「川の近くや川に面している」、「近くに森林がある」などもコケやカビの原因になりやすい立地です。ご自宅の状況を確認して、どんな対策が可能なのか検討してみましょう。

チョーキング現象

チョーキング現象は「壁に触ると手に白っぽい粉がつく」現象のことです。手に粉がつく原因は、塗料に含まれる樹脂が劣化することによって粉状の顔料（色の素）が表面に現れるためです。外壁の代表的な劣化症状といえます。チョーキング現象が起きていると、耐久性や防水性の低下も進んでいると考えられ、コケやカビの発生に繋がります。また、チョーキング現象は自然に治ることがないため、放置すると劣化がさらに進んでしまいます。

外壁のひび割れ

チョーキング現象が発生した外壁は、防水性が低下したことにより湿気による膨張と乾燥による収縮を繰り返しひび割れの発生に繋がります。また、地震などによる建物の揺れが原因でひび割れが起きることもあります。

ひび割れ補修の目安は「幅が0.3mm以上」と言われています。なぜなら、ヘアークラックと呼ばれる0.3㎜以下のひび割れは下塗り材の塗布で埋めることができ、補修作業までは必要ないためです。0.3mm以上のひび割れはシーリング材の充填やモルタルによる補修を行わないと埋めることができず、塗装の前に補修作業が必要になります。

塗膜の剥がれ

ひび割れやチョーキング現象を放置していると塗膜の剥がれに繋がります。塗膜の剥がれが起きてしまうと、紫外線や雨風の影響を受けやすくなってしまいます。塗膜の剥がれは外壁材の劣化が早く進むだけでなく、そのまま放置していると雨漏りに繋がることも考えられます。

外壁の塗り替えをしないと劣化が早く進む

外壁塗装の劣化が進んでいるなら、放置せずに早めの修繕をおすすめします。なぜなら、対策をせず放置していると、劣化が進み大規模なリフォームが必要になる場合もあるからです。

「色あせがひどくなる」「ひび割れが大きくなる」「塗装が剥がれてくる」など、外観が悪くなるだけでなく外壁へのダメージも蓄積されていきます。また、劣化が進むと塗装工事では対応できなくなり、張り替えや雨漏り修繕といった工事が必要になると塗装工事の費用よりもずっと高額になってしまいます。

外壁の塗り替えで失敗しないためのコツ

外壁塗装は頻繁に行うものではなく、ほとんどの方が初めて行うのではないでしょうか？そんな方のために、塗装で失敗しないための方法やコツを３つご紹介いたします。

外壁の塗り替えの相見積もりを取る
リフォーム瑕疵保険に加入している会社を選ぶ
塗り替え後のアフターフォローや保証が充実している

塗装工事の相見積もりを取る

結論からお話すると、外壁塗装の調査・見積りを依頼する際には「３社」ほど相見積もりを取っておきましょう。３社ほど相見積もりを取得すれば相場を知ることができでしょう。

１社だけではその見積りが適切な金額がわからず、相場よりも高い金額を請求されることも考えられます。相見積もりを行えば、複数の業者の意見を聞けるため、予算にあった最適な工事を選択をすることができるはずです。

リフォーム瑕疵保険に加盟している会社を選ぶ

リフォーム瑕疵（かし）保険とは、工事の検査と保証がセットになった制度のことです。屋根や外壁などの塗装工事も対象で、リフォーム瑕疵保険のメリットには主に以下の3つがあります。

第三者の建築士が現場の検査を行う
欠陥が見つかれば補修ができる
依頼会社が倒産しても保険金がもらえる

リフォーム瑕疵保険は任意加入で、加盟には厳しい審査が行われます。すべての会社が加盟しているわけではありませんので、依頼を検討している会社が瑕疵保険に加盟済みか確認しておきましょう。

施工後の保証やアフターサービスが充実している

保証の内容や期間は業者ごとに異なるため、内容や期間は事前に確認しておきましょう。また、住宅を長持ちさせるには定期的なメンテナンスが必要不可欠。アフターフォローのサービスがあれば、塗装後の異変にいち早く気づくことができます。保証やアフターフォローが充実していると、万が一の状況にも対応してくれるので、安心して日々の生活を送ることにも繋がりますよ。

外壁の塗り替えで使われる塗料の種類と選び方

外壁塗装に使われる塗料には多くの種類があり、それぞれ価格や特徴も違ってきます。そのため、どの塗料を選べばいいか迷ってしまうと思います。そこで、ここからは塗料の種類や選び方について解説していきます。一般的に使われる塗料は以下の４種類になります。

シリコン塗料
高耐久シリコン塗料
フッソ塗料
ハイブリッド無機塗料

シリコン塗料

価格：約55万円※
耐用年数：約10年

シリコン塗料は、熱に強く撥水効果があるのが特徴的。汚れもつきにくく、外壁を綺麗に保つことにも繋がります。そのため、多くの住宅に採用されている塗料の1つでもあります。

価格は一番安く耐用年数は10年ほどのためコストパフォーマンスに優れています。しかし、塗料が比較的硬いという性質をもっているため、ひび割れが発生しやすいデメリットもあります。

高耐久シリコン塗料

価格：約65万円※
耐用年数：約12年

高耐久シリコン塗料はラジカル制御塗料とも呼ばれ、シリコン塗料にラジカル制御機能を持たせることで耐久年数を長くした塗料です。色褪せやチョーキングが起こりにくく、防藻や防カビにも優れているという特徴があります。

耐用年数は12年ほどでフッソ塗料に匹敵する高耐久塗料ですが値段はフッソ塗料より安くコストパフォーマンスに優れています。

フッソ塗料

価格：約75万円※
耐用年数：約15年

原料に蛍石（ほたるいし）を使った塗料で、紫外線や雨などに強く、自然災害による劣化を最小限に食い止めることができます。耐用年数は15年ほどと長く、頻繁に塗り替えが行えない大型の施設に使われることが多いです。

価格は3,500～4,500ほどと高く、一般的な戸建て住宅では費用が高くなることが考えられます。そのため、フッ素塗料を使用する際にある程度の資金が必要。資金に余裕があり、長期的にコストを抑えたい方におすすめの塗料と言えます。

蛍石（ほたるいし）を原料としたフッソ樹脂を配合した塗料です。フッソ樹脂は結合が強く太陽光や紫外線に強いのが特徴です。耐汚染性も高く汚れが落ちやすくカビや藻がつきにくいという性能を持ちます。艶が長持ちするという特徴もありシリコン塗料と比べると光沢の保持率は圧倒的です。

耐久年数は１５年ほどで非常に耐久性の高い塗料です。シリコン系の塗料よりも耐久性に優れ、無機塗料よりも価格が安い傾向にあるため長持ちさせたいけれど費用を抑えたいという方に人気です。

ハイブリッド無機塗料

価格：約82万円※
耐用年数：20年以上

無機塗料はレンガやガラスなどの無機物が使われている塗料になります。紫外線で劣化する成分がほとんど含まれていないので、紫外線による劣化に強いのが特徴です。また、カビやコケが発生しにくく、日当たりが悪い・風通しが良くない住宅におすすめと言えます。

無機物が主成分である無機塗料は非常に硬く、施工が困難でした。そのため無機成分と有機成分を組み合わせて密着性や柔軟性を持たせつつ塗料としての性能をぐっと高めたのがハイブリッド無機塗料です。耐久年数は２０～２５年以上といわれ、耐久性能はバツグンです。高性能・高機能ではありますが費用も高くなります。しかし長期間で考えると塗り替え回数が少なくなることでトータルコストを抑えることができます。

※エムアールの外壁塗装コミコミプラン、延床面積30坪（約120㎡）、付帯部（雨樋・軒天・鼻隠し）塗装込みの場合

施工事例

ここからは、外壁塗装や屋根塗装の施工事例を紹介していきます。

【刈谷市】ハイブリッド無機塗料の外壁・屋根塗装工事

https://www.mr-produce.jp/construction/59498/

before	after

工事費用：150～180万円
工事期間：約4週間
施工概要：足場工事　外壁塗装　屋根塗装　ベランダ防水工事
塗料メーカー：株式会社シーカージャパン
塗装色：グリーン系

こちらの住宅は、外壁や屋根などのチョーキング現象やサビが発生していました。チョーキング現象は外壁を触ると指に粉がつく、代表的な劣化症状です。今回は、劣化が進んでいる外壁と屋根の塗装工事を行うことなりました。

塗装前には、高圧洗浄機で汚れや古い塗膜などを落としていきます。洗浄後、サビ部分の下地処理ケレン作業を行ってから塗装作業を開始。トタン外壁のため鉄製の付帯部だけでなく外壁にもサビ止め効果のある下塗り材を使用しています。また、外壁は凹凸があるデザインのため、塗りムラが出ないように吹付工法（塗装の仕上げ）で塗装を行いました。工事前と比べ、色がガラッとかわり綺麗になっただけでなく印象も一新されています。

【刈谷市】高耐久シリコン塗料の外壁塗装工事

https://www.mr-produce.jp/construction/57245/

before	after

工事費用：120～150万円
工事期間：約3週間
施工概要：足場工事　外壁塗装　シーリング打ち替え工事　外壁補修工事　玄関上防水工事
塗料メーカー：関西ペイント
塗装色：ホワイト系

外壁はチョーキングだけでなく、コケの付着やひび割れも発生しています。また、シャッターボックスは1度も塗装を行っていないらしく、かなり劣化が進んでいました。シャッターボックス表面の塩化ビニルが切れ始めているため、雨水で錆びる可能性があります。

高圧洗浄で汚れやコケなどを洗い流し、古い塗膜をケレン作業でしっかりと落としていきます。今回の物件はモルタル外壁のため、専用の下塗り剤を使用しています。シャッターボックスには、密着性の高い塗料を使って塗装を行いました。塗装前より、外観全体が綺麗になっています。

【刈谷市】ハイブリッド無機塗料の外壁塗装工事

https://www.mr-produce.jp/construction/56923/

before	after

工事費用：150～180万円
工事期間：約3週間
施工概要：足場工事　外壁塗装　シーリング打ち替え工事　ベランダ防水工事　破風板金工事　瓦補修工事
塗料メーカー：株式会社シーカ・ジャパン
塗装色：ホワイト系

こちらの住宅は、トタン外壁とモルタル外壁に分かれているのが特徴的。ベランダの腰壁がモルタル外壁になっており、チョーキングが発生していました。また、トタン外壁はチョーキングだけでなく、外壁上部にサビが進行している状態でした。

まずは高圧洗浄で汚れを洗い落し、トタン外壁や雨樋などの鉄部は下地処理ケレン作業を入念に行います。古い塗膜とサビをケレン作業で落とし、塗装作業を開始していきます。モルタル外壁は、トタン外壁とは素材が違うため、専用の下塗り剤を使用しました。塗装前と比べると、色も明るくなりまるで新築のような見た目に生まれ変わりました。

【刈谷市】ハイブリッド無機塗料の外壁・屋根塗装工事

https://www.mr-produce.jp/construction/56537/

before	after

工事費用：
施工概要：足場工事　外壁塗装　屋根塗装　シーリング打ち替え工事　ベランダ防水工事
塗料メーカー：株式会社ダイフレックス
塗装色：ホワイト系

一部がタイル調のデザイン外壁が使用されている住宅で、塗膜の剥がれやコケの付着が発生している状態でした。屋根はひび割れだけでなく、屋根板金を固定するビスの浮きも見受けられました。高圧洗浄で古い塗膜と汚れを落とし、ケレン後に外壁の塗装を行います。タイル調外壁はデザインをそのまま残すことができるクリア塗料を使用しました。

屋根のひび割れにはコーキング剤で補修を行い、ビスの浮きは打ちなおしてから浮きとサビ防止のためにシーリング材で固定しています。屋根材と屋根板金は素材が異なるため、別々に塗装を行いました。塗装後は見た目も一新され、美しい外観に仕上がっています。