防水工事にはどんな種類がある？防水工事の基本知識！

公開日:2023/07/14
最終更新日:2023/08/01

お家にベランダまたはバルコニーはありますか？外壁や屋根と同じようにベランダも建物の外にあり、常に雨風や日光にさらされ日に日に劣化しています。本日はベランダ防水や屋上防水について簡単ではありますが、ご紹介いたします。

まず防水の種類は大きくわけて「塗膜防水」・「シート防水」の2種類があります。一般的な住宅のベランダ・バルコニーに施工されているのは、ほとんどが「ＦＲＰ防水」といわれる塗膜防水です。

【ＦＲＰ防水】

FRPとは「ガラス繊維強化プラスチック（Fiberglass Reinforced Plastics）」の略称です。みなさんが最もよく耳にするのがＦＲＰ浴槽ではないでしょうか。

樹脂に硬化剤を加えて混ぜ、そこにガラス繊維などの補強材を組み合わせます。つなぎ目のない仕上がりで、塗膜の硬化が速いため短期間で施工できます。ＦＲＰ防水は非常に軽くて丈夫で耐水性にも優れています。ただし、紫外線に弱いという弱点があり防水層を保護しているトップコートのメンテナンスが欠かせません。

【ウレタン防水】

ウレタン防水の主な工法は「密着工法」と「通気緩衝工法」の2つです。

密着工法はプライマー（下地）→ウレタン樹脂1層目→ウレタン樹脂２層目→トップコートの順で施工されます。下地の上にメッシュの補強布をいれることもあります。ウレタン樹脂が一定の厚さになるよう塗り重ね、防水層を形成します。

通気緩衝工法はプライマー（下地）→通気緩衝シート→ウレタン樹脂1層目→ウレタン樹脂２層目→トップコートの順で施工されます。密着工法では下地が水分を含んでいると、水蒸気によって防水層の膨れが起きることがあります。通気緩衝シートはその膨れを防止する役割を担っています。

そのため、費用が安く施工が早いのは密着工法ですが、耐久年数が高いのは通気緩衝工法です。ウレタン樹脂を塗布するため、凹凸がある場所など複雑な形状でも施工でき費用も抑えることができます。ＦＲＰ防水と同様にトップコートのメンテナンスが必要です。

【シート防水】

まずシート防水は久性に優れており長持ちしで、膨れなど不具合のリスクも少ない工法です。費用も安いですが、塗膜防水と違い平面であることが重要です。凹凸があるとシートのつなぎ目に隙間ができて、水が浸入してしまう恐れがあるためです。

シート防水は「塩化ビニールシート」と「ゴムシート」の2種類があり、一番大きな違いはシートの厚さです。塩ビシートの方が分厚く、紫外線や熱に強く柔軟で曲げやすい素材です。ゴムシートは伸縮性が高く湿度による変化が少ないため、環境の影響を受けにくい特徴があります。

工法は「密着工法」と「機械固定工法」の２つがあります。密着工法は接着剤を使用してシートを固定するため、十分に乾燥させる必要があり雨漏りしている箇所の施工には不向きです。機械固定方法は専用の機械でシートを施工箇所に固定します。通気性を確保できるため、雨漏りした箇所への施工も可能ですが施工の際に大きな音がでてしまいます。

【比較表】

※注意※広さから値段を計算すると「こんなもんか」と思われるでしょう。しかし、工法や現状によって費用はまったく異なります。今ある防水層を取り除いたり固定具を取り外す撤去費用、新しい付帯部材の材料費、撤去した部材の処分費、劣化状況に応じた補修作業などなど。この表はあくまでそれぞれの工法の参考価格であり、防水工事の費用とは異なることをご理解くださいm(_ _)m

防水工事は今ある防水層の状態を見極めることが非常に重要かつ難しいことです。劣化状況に応じた施工をしなければ、膨れやめくれなどの不具合が発生してしまう恐れもあります。また「外壁と一緒にベランダも見て欲しい、ひび割れていて防水がダメになっているかも…」とお問い合わせをいただいたお客様でも、トップコートがひび割れただけであり防水層には問題ない！ということは少なくありません。トップコートの塗布だけなら大変お安い値段で施工することができますので、塗装の際には一緒に施工されることをおすすめいたします！

防水工事については→【コチラ】のページもご参考に！

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