外壁塗装にも『保証』がある‼トラブル回避のために知っておきたい塗装知識～『保証書』～

公開日:2023/10/26
最終更新日:2023/12/06

外壁塗装はお客様のお家を守るための大切な工事です。

もう何回か塗装をご経験されていらっしゃる方はある程度知識もつき、工事をお願いする業者も決められている事が多いかと思いますが、初めて外壁塗装をされる方は何から考えるべきなのか、何をしたらいいのか等いろいろ悩むポイントが多いのではないでしょうか。その中でも一番難しいところは、やはり『業者選び』だと思います。

外壁塗装工事は悪徳業者が絶えず、未だに消費者センターに相談されるお客様が多いと聞きます。

では高額なお金を支払って後悔しないため・失敗しないためにはどのような業者選びをしたらいいのかという事ですが、今回はそのポイントの一つである『保証』制度についてご紹介したいと思います。

塗装業者がどのような『保証制度』をとっているかによって、その業者がどんな会社なのか見極める要素になります！

ぜひご参考にしてください。

１．塗装業者にも「保証」制度がある

分かりやすく身近なもので例えてみます。

例えば大きな家電製品を購入するとき、たくさんあるお店のどこで買いますか？

金額が安いところももちろんですが、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などの大きなものは長く使用しますので、「保証」がより長くついているところを選ぶ方が多いのではないかと思います。

たくさん使う＆長く使うものだからこそ、何かあった時のために「保証」がついている方が安心ですよね。

外壁塗装は「モノ」とは違いますが、職人が時間をかけてお家の塗装を行い、その施工品質や耐久年数を「保証」する制度があります。

初めて外壁塗装をする方は特に、外壁塗装そのものに「保証」制度がある事をご存じでない方が多く、見積もりを取った業者の中で安い業者を選び、施工後にいくつもの不具合が出てしまっているトラブル等が相次いでしまっている状況なのです。

だからといって『保証がある塗装業者＝安心できる業者』というわけでもありません。

口約束で「保証します」という業者はまずもって何かあっても対処はしてくれませんし、保証書を発行していても、その内容がずさんで結局何もしてくれない業者もいるという話も耳にします。

これらの点で見ても、業者選びで『保証書』というものがいかに重要なものか分かりますよね。優良な塗装業者は契約前に自社のサービスを紹介したり、サンプルを展示していたり、中には資料としてお渡ししている業者もありますので、担当者から提示がない場合はお客様からご質問してみてください。

２．外壁塗装の保証の種類

外壁塗装には、一般的に「製品保証」と「工事保証」の二つの保証が存在しています。

製品保証とは、塗料メーカーが工事に使用した塗料に対して出す保証になります。塗料の製品に瑕疵があった場合に、塗料メーカーが塗料代を上限として保証をしてくれます。

工事保証とは、保証期間中に塗装工事に不備があったり等の瑕疵があった場合、施工店が工事に対して行う保証になります。施工店や工事内容、また使用する塗料によっても保証年数や保証範囲が変わったりします。

最も注意が必要なのは、工事保証の方です。いくら塗料が優良なメーカーであっても、施工が手抜きであったり不備があった場合、工事が終わったたった数年後に施工不良が発覚してしまいます。

３．外壁塗装の保証内容

２でお伝えしたように、保証内容は各業者によってさまざまです。

多くの施工業者は、「外壁塗膜」の剥がれのみを保証としています。外壁塗膜なので、他の箇所である雨樋や破風などは対象としていません。また、自然災害などで症状がでる場合も対象外です。

どのような保証が受けられるのかは、契約前などにサンプルを見せてもらう等をしてしっかり確認することが大切です。またこの時点で保証書の提示ができない業者の場合は、お断りする事をオススメします。

お家によっては外壁塗装だけでなく、屋根塗装も行ったりベランダの防水工事も一緒に行う事もあるかと思います。各部位でそれぞれどのような保証があるのかしっかり記載があるかどうかも、事前に確認した方がより良いと言えます。

４．保証書だけではなく、『瑕疵保険』に加入している業者を選ぶ

上記で保証書が大切だというお話はしましたが、実はそれだけではないのです。瑕疵保険というものを実はご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば塗装工事を行った業者が数年後に突然倒産してしまった場合、どれだけしっかりした保証書を発行してもらっていても工事保証は使えなくなってしまいます。「会社がそんなに簡単に倒産するのか？」という疑問に思われていらっしゃる方も多いですが、建設業の倒産件数は他の産業の中でも多い方になります。

倒産した業者に施工不備の事を報告したくても、連絡が取れない上に直せない…なんてどうしよもない事になってしまう事を防ぐために『瑕疵保険』というものが存在します。

リフォーム瑕疵保険は、工事をした塗装業者とは別の第三者機構が工事を保証し、保険法人が不具合を直すための保険金を補填してくれます。

ただしこのリフォーム瑕疵保険は義務ではありません。更にはどの業者も使用できるものではなく、事前に業者が加盟していなければいけないのです。

塗装業者が瑕疵保険に入っているかどうかは、ホームページやショールームなどの掲示物で確認できると思いますので、工事を依頼する前にしっかり確認しておきましょう。

５．保証におけるトラブル事例

先ほども少しお話しましたが、塗装工事においてトラブルが絶えない状況が続いています。

その中でも『保証』に関係するトラブルのお声がありましたので、いくつかご紹介したいと思います。

■『保証書』を受け取っていなかった

お見積もりや契約の際に、「保証します。」や「保証書は工事が終わった後にお渡ししますね。」と業者から言われ、安心して工事を依頼したのですが、工事完了後に保証書は渡されませんでした。

塗装を行った後、たった数年で外壁の塗膜が剥がれてきて塗装業者に慌てて連絡しましたが、「うちでは保証は出しておりません。」と言い張り、更には業者側が強気な態度で「保証書お持ちでないですよね？」と言い返してきました…。

結局施工不備は改善される事もなく、大切なお家を守るために再度外壁塗装の補修を別の業者に依頼する事になり、余計でかつ高額な費用を支払わなければなりませんでした。

口約束をして実際に保証書を渡さない塗装業者のトラブルは、決して少なくはありません。

特に保証書を発行していない業者は、施工不備が発覚した時の対応もひどいと聞きます。

高い金額を支払ったうえにたった数年後で不快な思いをするなんて、最悪ですよね。こういう業者には金額が安くても後で不備が出て１回の塗装工事よりも多くの金額を支払う事になってしまいますので、絶対に選ばないようにしてください。

■施工不良の箇所が保証対象外だった

工事完了後に１０年の保証書を受け取り、安心していました。

しかし工事から数年後、外壁のあちこちに「ひび割れ」が起きている事が発覚しました。

すぐに塗装業者に連絡を入れたのですが、その１０年保証に「ひび割れ」は入っておらず保証対象外となってしまいました。結果として、他の業者に再度補修工事を依頼し、多額なメンテナンス工事となりました。

「ひび割れ」という症状は、保証書の中に入っていない事が少なくはありません。

なぜかと言いますと、外壁のひび割れは施工不備だけでなくお家の構造体そのものや地盤、地震などの自然災害の影響、周辺環境の影響（車通りが多い道路に面している等）などでも発生する事があり、塗装の瑕疵だとは一概に判断しずらいという理由があるからです。これは塗装業界では常識の範囲内であるために、消費者にきちんとお伝えしていない事もあるようです。

保証書を発行してもらえる業者でも、どこの何を保証してもらえるのか具体的に書いてある事、またどのような保証を何年してもらえるのか事前にしっかり確認しておくことが大切です。

■塗装した業者が数年後に倒産していて連絡がつかなくなった

しっかりした内容が記載された保証書も受け取り、保証年数も１０年。ちゃんとした工事ができたと安堵していました。

しかし数年後、外壁の塗膜が剥がれてきて、塗装業者に連絡を入れました。ところが電話をかけてもいっこうに繋がりません。不安になって店舗を訪れてみると、そこには既に塗装店は跡形もなくなくなっていました。

消費者センターなどに相談もしてみましたが、その塗装業者は『瑕疵保険』というものにも入っておらずどうする事もできませんでした。また別の業者に１から塗装工事をお願いする事になってしまいました。

４でお話した内容がまさに、ですね。

保証書をしっかり発行してくれる業者でも、いつ倒産するかは分かりません。万が一の時のことも考えて、事前に瑕疵保険に入っている会社は自分の会社の事だけでなく、塗装を依頼してくれたお客様の今後のことも考慮してくれていると言えます。優良な塗装会社を選ぶためのポイントの一つとして、抑えておきましょう。